7月以降に開催するイベントの告知

こんにちは、もみあげです。

最近ブログではイベントの告知をあまりしていなかったのですが、今回はいくつか企画が走っているので紹介しておきます。

FSharp談話室(20) ゲストもくるよ!

F#談話室(20) - connpass

Yan Cuiさんの来日に合わせての開催です。 現状参加者がちょっと少ないので、Yanさんの twitter bioにビビッときた方はぜひお越しください。

関数型Scalaの集い

関数型Scalaの集い - connpass

昨年開催されたScalaz勉強会の範囲拡大版ですね。

こちらは発表者を募集しております。 (参加枠は埋まってしまってます…が、運が良ければニコニコ生放送があるかも?)

余談ですが、公開前の仮イベント名はわりとひどかったです。

関数プログラミング交流会

こちらは今のところ発表者のみ募集中です。

関数プログラミング交流会 発表者募集要項

枠以上の応募があった場合は選考方式のため、発表できない可能性も」ありますが、枠から漏れた方の参加枠はあらかじめ確保するのでご安心ください。

参加枠は後日募集開始となります。

関数プログラミング交流会(参加者用) - connpass

connpassにフォローブックマーク機能があるみたいなので、忘れそうな方はブクマしておくと良いかもしれません。

ちなみに、前日にはProof Summitが開催されるみたいなので、こちらにも足を運んでみてはいかがでしょうか。

Functional Java の HList を C# に移植して F# 拡張を作った

前々からFunctional JavaにHListが存在するのは知っていたのですが、なかなか手をだせていませんでした。 で、最近Lensライブラリ移植の息抜きにちょっと時間があったので移植してみました。

そもそもHListって?

heterogenous list。 日本語ではたまにヘテロリストとも呼ばれてるみたいですね。 "haskell HList"とか"HList shapeless"で検索すれば何かしら情報は手に入ると思います。

というわけで作った

下記リポジトリから取得できいます。 NuGetにも公開しているので簡単に試すこともできます。

pocketberserker/Data.HList · GitHub

移植自体はそんなに難しくなかった…嘘ですごめんなさい。

実は最初は Pure F# で実装していたのですが、型推論がだめな方向に作動してしまって型エラーをなんとかするのが面倒になった経緯があります。 以下残骸。

Pure F# で HList を実装しようとしたが…型推論に阻まれる

Apply.Cons に型を書けば問題なく通るかもですが、それやるのであればいっそもうC#で実装したほうがいいんじゃない、ということでC#にスイッチしました。

使い勝手は?

HaskellScala(shapeless)のそれに比べると使い勝手は悪いかもしれません…というかまず機能の差が。 それに彼らはこちらにはないHTやマクロ、型クラスがありますからね。


気をとりなおして、JavaC#とF#の使い勝手について。

これは完全に型推論の力に依存して使いやすさが変わります。 サンプルコードを見ればその違いがよくわかるので、いかにリンクを並べておきます。

HAppendの例だけなのと、C#の実装がこれでよいのか自信がないのであれですが、C#...。

Javaは変数の型を書くのはだるいものの、型は比較的わかりやすいためそんなに考えなくてもなんとかなります。 が、C#メソッドのほうが推論されないため、4つの型パラメータに何を当てはめれば望みの型になるのか考える必要があります。 F#もC#と同じ道をたどるかと思いきや…この程度のコードだと空気を読んで型を推論してしまいます*1

まとめ

  • C#とF#でもHList使えるよ!
  • 本記事とは若干関係ないけど、HListはジェネリクスの勉強に役立つ(要出典、要検証)
  • FoldrのF#拡張とサンプルを作りたい人生
  • map関数を作りたい

*1:推論に頼りすぎると前述みたいな型エラー事案に遭遇するのでご利用は計画的に

QuickCheck系統のGenのfilter(suchThat)実装比較

Gen#filter · Issue #5 · xuwei-k/scalaprops · GitHub

こういうissueを投げたあとで、オープンではない場所で色々話していた際にちょっと調べてみたのでメモ。

filter(suchThat)の挙動

あるジェネレータから条件を見たす値のみを出力したい場合に使う

-- こんなシグネチャ
Gen a -> (a -> Bool) -> Gen a

処理的には

  1. 値をランダムに生成して
  2. 生成した値が述語を満たすかチェックし
  3. 満たすならその値をGenで包んで返す
  4. そうでない場合はseedを変えてやり直し

問題点

  • 条件を満たさなければ再生性を行わなければならない都合上、再帰関数にするかwhileでぶん回す必要がある
  • 実装次第で無限ループに陥る
  • 無限ループしない場合でも処理の遅延につながる

対策

  • 生成回数の上限を決める
  • 生成失敗を組み込む
  • 別の機能で置き換える
  • 覚悟を決めてぶん回す

lazyかどうかは関係ないはず。

上限を決める

https://github.com/clojure/test.check/blob/7ed9f927047366d14f160a3a23fde5e6bab629f2/src/main/clojure/clojure/test/check/generators.clj#L299

思い処理でなければ現実的な時間に収まる。 ただし、生成方法によってはかならずExhaustedになる。 また、テストがエラーとして扱われる。

生成失敗を組み込む

https://github.com/rickynils/scalacheck/blob/333307dc1b7dd022641191c5085222583cfc3994/src/main/scala/org/scalacheck/Gen.scala#L33

ただし、この方針を採用すると他の機能にかなりの影響を与える。

  • Genの生成結果を取得して新たなGenを作る際に失敗処理を組み込む必要がある
  • とくにCoArbitraryとの相性が悪い

別機能で置き換える

https://github.com/BurntSushi/quickcheck/blob/d282c811a4c419ae4cd997b1093636d88d5c573a/examples/reverse_single.rs#L15

定型処理になるしテスト失敗になる確率が増えるが、安定はする。

気合いでぶん回す

https://github.com/fsharp/FsCheck/blob/91ebaf7b7c2453212e80b9d193f343e26975c356/src/FsCheck/Gen.fs#L317

  • タイムアウト機能必須(なかったら無限ループに陥る)
  • 条件を満たす値をみつけるまで繰り返すため遅い
  • ユーザは気楽にフィルタリングできる

まとめ

妥協できるかどうかはユーザ次第。

以下追記

F# User Goup Japan用のgitter roomができました

タイトルの通りです。

fsugjp/public - Gitter

yukitosさん++

何する場所?

F#についてゆるふわ喋る場所です。

以前から scalajp/public - Gitter みたいなのがF#にもあるといいなぁ、と思っていたので、嬉しい限りです。

  • どう書けばいいのか
  • こういうライブラリないかな
  • 俺のモナーが日を噴くぜ!
  • 仕様書関連
  • 「hogefuga進捗どうですか?」

など、なんでもありだと思います。

Quoteメソッドでコンピュテーション式に介入する(実践編?)

全国コンピュテーション式ユーザの皆様こんにちは。

GWの進捗どうですか?

私は駄目です。 ネプテューヌVⅡを1周しようと思っていたのにまだできていません…。

さて、今回はQuoteメソッドを使ってコンピュテーション式への介入しようという話の実践編(?)です。 疑問符つきなのは、プロトタイプしかできてないからという話ですね。

題材は例によってPersimmonです。

読んでおいたほうが良い資料

詳説コンピュテーション式 - ぐるぐる~ コンピュテーション式の変形後を覗き見る #FsAdvent - 眠気と戦う日々 コンピュテーション式の変形後を覗き見るを改良する - ぐるぐる~

コード全貌

persimmon-projects/Persimmon.Pudding at f3789f7cf6682bcdcab0a8ae1a90532bdcdda4fe · GitHub

これを見ればなんとなくわかると思います。

実装の話

というわけでここから本編です。

前提とゴール

今回のゴールは次のようになります。

元のテストコードにモジュールの open を加えるだけで、テスト失敗時にパラメータと簡約結果の一部が出力されるようになる

また、前提条件として

  • Persimmonには一切手を入れない

があります。 まぁ、手を入れないからこその拡張ライブラリですよね、的な。

下ごしらえ

Quoteメソッドを追加することで得られる Expr<'T> を自前で解析するのは手間なので、FSharp.Quotations.Evaluatorを fork して改造するため、同じリポジトリに同梱したりライブラリ名が衝突しないように名前を変えます。

また、 FSharp.Quotations.Evaluatorから Compile 以外の public な関数、メソッドを削除します。 他のことは一切できないよということを明示したいとかなんとか。

なぜFSharp.Quotations.Compilerを使わなかったの?

面倒くさかったLetRecursiveがまだ未実装だったからです。 あと、今回はスタックオーバーフローは気にしなくてもいいだろうという慢心もあります。

ただ、パフォーマンス調査次第では乗り換える可能性も残っています。

引数、戻り値をDictionaryに登録する

このあたりの関数を呼び出すことで、Expr<'T> が eval されたときに Dictionary に値が登録されるようになります。

λ式の引数は戻り値が unit な登録関数を手続き的にλ式のbodyにくっつければよいだけです。

値の適用や戻り値の結果を登録するには、Dictionaryに登録したあとで元の値を返す必要があります。

仕上げとして、 こんな感じ でDictionaryと Expr<'T>コンパイル結果を返します。 これで、 eval 後に 実行中の変数や簡約結果を取得できるようになります。

コンピュテーション式を拡張する

QuoteとQuote用のRunメソッドを型拡張で追加します。 これで、モジュールをopenすれば Quote が存在することをトリガーに `Expr TestCase<'T>> を引数にとる Run メソッドを呼び出すように変換が行われます。 あとは、Dictionaryから情報を引っ張ってきてこねくり回すだけです。

今回はDelayが邪魔だったので除去してからEvaluatorに渡していますが、Delayが仮に何らかの処理を行っている場合は除去するべきではないでしょう。

実行結果

open Persimmon
open Persimmon.Pudding.Quotations // 既存のテストコードにこれを追加するだけ
open UseTestNameByReflection

let ``return int`` = test {
  return 1
}

let ``fail test`` = test {
  let! a = ``return int``
  do! assertEquals 2 a
  return a
}

このようなテストを実行すると

.x
Assertion Violated: fail test
1. [parameter]
     _arg1: System.Int32 -> 1
     _arg2: Microsoft.FSharp.Core.Unit -> <null>
     a: System.Int32 -> 1
   [method call]
     Persimmon.TestBuilder.Return(1) -> TestCase<Int32>({Name = "";
    Parameters = [];})
     assertEquals(2, 1) -> NotPassed (Violated "Expect: 2
   Actual: 1")

2. Expect: 2
   Actual: 1
============================== summary ===============================
run: 2, error: 0, violated: 1, skipped: 0, duration: 00:00:00.3012002

なんとなくパラメータと簡約結果の一部が取得できているのがわかると思います。

_arg1let! aのBindの変換で現れるλ式の引数、_arg2do! の Bindの変換で現れるλ式の引数です。 きちんと実装すればこの辺りを除去できますが、まぁそれは今後の課題ということで…。

まとめ

Quoteメソッドを追加し、式木をいじることでコンピュテーション式に介入することができました。

これをがんばっていくと"コンピュテーション式内の途中経過をいい感じにdump"できるんじゃないかなと思っています。 そういう拡張ライブラリがほしかったので、今回のこれは Persimmon.Pudding として育ててみようと思っています。

Microsoft MVP for .NET を受賞しました

2015年1月からC#, VB.NET, F#の枠が統合され「.NET」となっていたので、正確には再受賞です。

.NETに関してはこれからもF#に偏ったことしかしない可能性が高いですが、何かしら成果を残せたらいいな…と思っております。

あと、せっかく東京にきたのでF#で定期的にドンチャン騒ぎしたいです。

入社経緯など

先日記載した通り、株式会社ドワンゴに入社しました。 ただ、前記事では入社までの経緯を書いていなかったので、本記事にてまとめておきます。

きっかけとか

前職は誘われる形での転職だったので、今回はWebページからの応募でやってみようと考えました。 ただ、一から探すのは時間がかかるので、ひとまずScalaMatsuriのスポンサー求人情報から、以下の条件で探してみることにしました。

  • 東京勤務
  • Scala以外の言語も詳しそうな人がいそう
  • 出社が10時以降
  • 私の経歴で書類審査を通過できそう

スポンサー求人情報が公開されていて当日に話を聞けるイベント、イベント当日時点では転職するつもりがなかったとしても便利ですね。

あとはWebページから応募して色々あって今に至ります。

やること?

多くの方から「Scalaですかー」という反応をいただいたのですが…正解ではない、という感じでしょうか。 そう思っていた方々、なかなか言い出せずすみませんでした。 Scalaを使う可能性もありますが、「Scalaがやりたい!」と強く希望したわけではないのでどうなることやら。

これに関しては「Scalaも確かに仕事で使ってみたいけど、他の言語も面白そうだし…明らかに向いてなさそうな言語でなければ」とかそういう感じです。 あとはカオスっぷりを楽しみたいとか?

FSharpどうするの?

当分は趣味で触り続ける予定です。 というかPersimmonシリーズをなんとかしなければ…。

まとめ

ScalaMatsuriもきっかけの一つだったよ、というのが書きたかっただけだったり…。

あとは最後に例の文章でも書いておこうかと思いましたが、やっぱりやめておきます。