Persimmon 2.0.1とPersimmon.MuscleAssert 1.0.0をリリースしました
表題の通りですが、他にもDiff.Match.Patch 2.0.1とFSharp.Object.Diff 1.0.0もリリースしています。
NuGet Gallery | Persimmon 2.0.1
NuGet Gallery | FSharp.Object.Diff 1.0.0
NuGet Gallery | Diff.Match.Patch 2.0.1
NuGet Gallery | Persimmon.MuscleAssert 1.0.0
変更点はPCLや.NET Core対応、機能追加、bug fix、F# 4.1サポート、Visual Studio拡張のためのコードベース変更です。
注意点として、まだVisual Studioのテストエクスプローラー拡張や.NET Core用のAdapterはリリースできていないので実行できない点です。 あくまでライブラリが.NET Coreで実行できるようになったというところに悲しみが漂っていますね…。
本当はそれらも一緒にリリースできれば良かったのですが、謎の挙動によりテストが一部実行できないという状況のためライブラリ群と.NET Framework用コンソールランナーだけを先行リリースすることにしました。
バイナリ互換はありませんがソースコードレベルでの互換性は保っているつもりです。
残りの作業
- Visual Studioテストエクスプローラー用の拡張
- 一部テストが実行されない問題を解決する
- とはいえ私が必要としていないので永遠にリリースされない可能性もあり得る
- .NET Core用のアダプター
- モジュール変数として束縛したテストがnullになる現象を解決する(ちなみに関数やメソッド、プロパティとして定義したテストは動く)
- アセンブリはロードされているみたいでたちが悪い…
- Persimmon.DriedをPersimmon 2.xベースにする
- ついでにFsRandomの.NET Core対応をがんばる
- FsPicklerの.NET Core対応が当分先になりそうなのでMessagePackへの移行も考慮する(できればやりたくないけど)
- .NET Core SDK向けのテンプレートを作る
- リポジトリは用意してあるので中身をなんとかする
- Xamarin系のランナーを作る
- モックライブラリを作る
- Foqで問題ないけど、なんかこれじゃない感もある
- Power Assertを作る…?
- ドキュメントを増やす
- 増やせないフラグ
- プロジェクトサイトを作る
- リポジトリが増えたので
- ミューテーションテストフレームワーク構想
- fscxを使えばできそう
- テストの分散実行
- Persimmon.Ripeをもうちょっといい感じにしたい
- TCPソケットでプロセスの通信とか
明らかに1人で作業する分量ではない(確信)。 まぁ、手がまわらないなら切り捨てるか放り投げるだけなので問題ない(?)はず。
scala-zero-formatterのパフォーマンス改善やakka-httpサポートとか
https://github.com/pocketberserker/scala-zero-formatter/releases/tag/v0.7.0
表題の件以外にもlz4とzstdへの変換をサポートしてみたりしました。 この2つはあくまでとりあえず程度なので速度そんなにでないですが……。
速度改善の話
- 余分な型クラスを除去
- 一時期のバージョンでいれていたが今は無くても動く(もしかしたら昔も動いたのかもしれない)
- ついでに一部パッケージを統合
- unsafeモジュールでのStringのエンコード方法変更
- https://github.com/google/protobuf/blob/v3.2.0/java/core/src/main/java/com/google/protobuf/Utf8.java を借りることにした
- あまり速度に関係ないかもしれない、という噂はあるが今回は計測したら速くなったので
- case classの全フィールドのバイナリサイズがわかっている場合はmacroでバイナリサイズを算出する
- 最後のresize(arrayコピー)が減る
内部でprotobuf-javaのUnsafeを使っているので、そりゃScalaPBと速度で勝負できるよね…という。 とはいえデシリアライズがまだ若干遅いことがある問題?もあるのでなんとかできないか調査中。
akka-http
MarshallerとUnmarshallerをつかえば簡単にできそうだったので作ってみた、という。 JSON系ライブラリはspray-jsonは公式さぽーとだったり、他のライブラリも既にライブラリがあったりします。
msgpack用のライブラリもそのうち誰かがつくるのではないでしょうか?
lz4, zstd
最初に書きましたがまだお試しパッケージです。 そのため思ったほど速度がでないと思います(LZ4のデシリアライズはその特性上十分早いけど)。
あと、バイナリサイズを考慮して使うか決めないと圧縮前よりサイズが増える、なんてこともなくはない?
MessagePack-CSharp用の F# 拡張ライブラリを作った
MessagePack-CSharpがリリースされた話を読んですっごーいと感心していたら
F#拡張は @pocketberserker さんが作ってくれるでしょう(チラッ
— neuecc (@neuecc) 2017年3月13日
という通知が飛んできたので即興で作りました。
https://github.com/pocketberserker/MessagePack.FSharpExtensions
拡張でサポートする型
- list
- set
- map
- unit
- option
- 判別共用体
- FSharp.Coreのものはフィールド名ベースの変換のみサポート
- ResultやChoice
- FSharp.Coreのものはフィールド名ベースの変換のみサポート
- Async
- シリアライズで
Async.RunSynchronously
を使っているのでちょっと微妙かも?
- シリアライズで
このあたりに対応させています。
レコードは実は本家のライブラリ側でよしなにやってくれます。 つまり私が実装した拡張を導入しなくても苦労することなく速度の恩恵にあやかれます。
互換
判別共用体に関しては一応程度ですがC#側のUnionと相互変換できます。
- Tagプロパティでケース判定(0, 1, 2…)
- MessagePackObject属性が付いている場合はシーケンシャルなIntKeyを勝手に付与してフィールドをシリアライズ
- 属性が付いていないか、プロパティ名を使う指定になっていればフィールド名を使う
例えばF# 4.1から導入されたResultの具体例Result<int, string>
をstructで表すとこんな感じになるはずです。
[<Union(0, typeof<CsOk>)>] [<Union(1, typeof<CsError>)>] type CsResult = interface end and [<Struct; MessagePackObject(true)>]CsOk(resultValue: int) = member __.ResultValue = resultValue interface CsResult and [<Struct; MessagePackObject(true)>]CsError(errorValue: string) = member __.ErrorValue = errorValue interface CsResult
型パラメータはさすがにどうにもならない気がしています(ほんとか?)
ところで、他の言語で生成されたバイナリを扱ったりその逆パターンを考えるとプロパティ名を小文字にするオプションが欲しい気もするがどうなのでしょう? そういうときにMessagePackを採用することってあまりないから必要ない可能性も高いわけですが、はてさて。
がんばったところ
判別共用体のデシリアライズが(現行の)ZeroFormatter.FSharpExtensionsのものより洗練されています(たぶん)。 MessagePack-CSharpの知見とか、改めてFSharp.CoreのILを眺めた関係でBox化が挟まらなくなったことが大きいですね。
他の部分はそんなに頑張らなかったわけですが、MessagePack-CSharpのAPIがよくできていているので頑張らなくてもなんとかなる、というのが正しいです。
いやほんと素晴らしい、さすがの一言です!
今後
FsPicklerの真似事をするかどうか悩みつつ、要望があれば随時対応かなと考えています。
パフォーマンス調査結果はそのうち掲載します。
判別共用体のUnionCaseにAttributeを付与する
必要に迫られたので調べた。
open System // AttributeTargets.Property以外はエラー [<AttributeUsage(AttributeTargets.Property, Inherited = false); Sealed>] type TestAttribute() = inherit Attribute() // fieldがない場合: // AクラスのB getプロパティにつく type A = | [<Test>] B // fieldがない場合: // CクラスのNewDメソッドにつく type C = | [<Test>] D of int
struct unionの場合も特に違いはなし。
AttributeTargets.Property
なのにメソッドかよーみたいな気持ちはありつつ、でもまぁそこしかないかみたいな。
`dotnet new`用のテンプレートエンジン
不定期.NET Core SDK周辺調査メモ。
GitHub - dotnet/templating: This repo contains the Template Engine which is used by dotnet new
かつてはdotnet new3
と呼ばれていたらしい。
RC4時点でこいつがdotnet new
で使われるのでどうでも良い知識ではある。
https://github.com/dotnet/templating/tree/c3634ad9fe235fa23ed1a76149bf24f3fb9c41c0/template_feed
このあたりで標準テンプレートが管理されている。
現時点では隠しコマンドだったり、未実装なコマンドもちらほら。
キャッシュ情報は~\.templateengine\dotnetcli
あたりのようだ。
ja-JP.templatecache.json
やtemplatecache.json
を見ればどんなテンプレート情報を編集できる(が、手作業の修正はおすすめしない)。
NuGetにテンプレートをpublishしておけばいい感じに選べるようになる未来がくるのだろうか? Visual Studio用のテンプレートを作らなくてもVisual Studioで使えるとかであれば結構便利そうだ(実際どうなのかは知らない)。
F# の型拡張を使って定義したメソッドを C# から呼び出す
Donさんに教えてもらいました。
リフレクションを使って呼び出すだけなのでC#限定というわけではないです。
using System.Reflection; using Microsoft.FSharp.Reflection; ~ 略 ~ typeof(FSharpReflectionExtensions).GetTypeInfo() .GetMethod("FSharpType.IsRecord.Static") .Invoke(null, new object[] { typeof<string>, null }); // 第2引数のoptionを指定するつもりがないなら、.NET的にはnullでもOK
型名.メソッド名.Static
という形式になるらしい。
ILには存在するものの、C#がドット付きメソッドを呼び出せないのでこういう方法をとる必要があるようです。
使う機会はないでしょうがまぁ勉強になった、ということで。
ZeroFormatter.FSharpExtensionsのF# 4.1対応
FSharp.Core 4.1.0がNuGetにpublishされていたので、ZeroFormatter.FSharpExtensionsでF# 4.1の型を扱えるようにしました。 ついでにプロジェクト構成を.NET Core SDK RC4のものに全面修正しています。
NuGet Gallery | ZeroFormatter.FSharpExtensions 0.3.0
いやまぁ、正確には.NET Coreでのビルドに失敗していて(ビルドは通るけど空のdllができていた…)対応せざるをえなかっただけなんですけどね(ひどい)。
対応した型
- struct tuple
- 内部的には
System.ValueTuple
- Nullableは非対応
- 内部的には
- struct record
- struct union
- Resultはここに属する
わかりやすいですね。
Nullableなstruct tuple用のFormatterを用意しなかったのはF#だからOptionでいいんじゃない、みたいな理由です。 C# 7のことを考えれば本家がValueTupleをサポートすべき事案なのですが、忙しそうなのでいつ次のバージョンがリリースされるかわからない…。 pull reqしようにも.NET Core SDK preview2が手元にないのでビルドもままならないので「project.jsonめ…」という気持ち。
余談
.NET Core対応させようとしたときに下記の問題にぶつかりました。
https://github.com/Microsoft/visualfsharp/issues/2455
FSharp.Core 4.1.0のnetstandard1.6ではFSharp.Reflection.FSharpType
やFSharp.Reflection.FSharpValue
のいくつかのメソッドが存在せず、型拡張で定義されているメソッドにはC#からアクセスできないのでレコードや判別共用体を判定する手段がなくあわや詰みかけたという…。
C#からF#用のメソッドを呼び出す人はそうそういないので気付かないのも仕方ない。
幸いドンさんから回避策を教えていただけたのと(ただしリフレクションを使う…)、F#自体にも変更がはいったのでバージョンがあがれば心配しなくてすみます。
それにしてもこのライブラリ、開発中にいろんなものを踏み抜くなぁ。